絵本版と小説版【どんぐり精霊】

どんぐり精霊と少女の冒険、かなり進んできたのですが、こちらはかねてより物語の話の冒頭にいつも書いているとおり、絵本のイメージで書いてきました。
当初は絵本にするつもりで、絵を描いてくれるという方もいたのですが、話が長くなりすぎてしまったせいか、絵を描いてくれる予定だった方がリタイヤ(?)してしまったようで、結局、絵本は諦めたのですけど、だからといって途中で止めるのも嫌なので、絵本版はこのまま絵本版として書くつもりでいます。
『どんぐり精霊と少女の冒険』は絵本版としてこのまま続けていく予定ですが、タイトルを変えて小説版としてリライトを進めていて、話数がある程度たまったら、どこかで小説版として公開しようと思っているところです。リライトと言っても私本人がリライトしているので誤解のないよう(笑)
リライト中の小説版のプロローグの一部をちょっとご紹介。
【プロローグ】
いつものように村の近くの森で薬草を採取していた少女は、普段はあまり入らない小道へと足を踏み入れた。もしかしたら、こちらの方が薬草がたくさん見つかるかも———そんな期待が頭をよぎったからかもしれない。
少女が薬草を探しながらしばらく歩いていると、少し開けた草地に突き当たった。そして、その草地の奥の古びた石造りの小さな建物が、少女の目に飛び込んできた。
「なんだろう?こんなところにあんな建物、あったかしら。こっちにはあまり来ないけど…神殿?こんな建物、無かったと思うんだけど…」
少女は記憶にない風景に戸惑いながらも、乾いた草地を一歩一歩と進み、その建物に引き寄せられるように近づいていった。
石造りの建物は神殿のようだった。周りには苔と蔦が絡み、楓の紅葉が風に揺れている。神殿のすぐ横には、樹齢数百年はあると思われる立派なオークの木が立ち、優しく見守るように大きく枝を広げていた。
この光景に少女は不思議と温かい気持ちを覚え、自然と神殿の正面まで歩を進めた。
少女は初めて見る神殿に目を輝かせながら、崩れかけた石の階段に足をかけて登り始めると、どこからか小さなどんぐりが転がってきた。
「あっ、どんぐりだわ。どこから転がってきたのかしら」
空を見上げ、首をかしげつつも、足元に転がるどんぐりを拾い上げ、そっと手のひらに乗せた。
「形もきれいだし、まんまるでなんだかかわいいわね」
どんぐりがお守りとして大切にされていたという村の古い言い伝えをふと思い出し、少女はこのどんぐりをお守りのように握りしめた。そして、おそるおそる、でも少しワクワクした気持ちで神殿の中に足を踏み入れた。
入り込む光のあたたかな空気感と静けさの中で、少女はしばらくぼんやりと立ち尽くしていた。しかし、外から響く雷鳴にハッと我に返る。
「いけない。薬草採取の途中だったわ。今日は早く帰ろうと思ってたのに」
さっきまで晴れていた空から、ぽつりぽつりと冷たい雨が降り始めていた。
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と、こんなふうに小説化しているのですが、小説として書き直すのもなかなか大変だなぁと思いつつ、小説として公開する日が来ましたら、またお知らせしたいなと思います。
仕事の合間に書いているのでなかなか時間が取れなかったりもするのですが、数か月以内に公開できたらいいなぁと思っております。。
小説版のほうは
『刻まれた花言葉と精霊のチカラ(仮)』
という仮タイトルなのですが、どうしようかなぁと悩み中。
絵本版のほうは、今進んでいる話、フォールゴールドが終わったら、少しの間お休みする予定です。
引き続き、どんぐり精霊と少女の冒険【絵本版】を、どうぞよろしくお願いいたします。