【本編07~08 日常編】「薬草茶3」
大人も楽しめる絵本のイメージで物語を書いています。
よかったら読んでください😊
#本編07 日常編
リーフとテラ、ふたりの生活が始まってちょうど1週間が経ちました。
ふたりはいつものように薬草採取に出かけます。
「おはよう、テラちゃん。通りかかると思って待ってたのよ^^」
「あ!マーサおばさん、おはようございます。お加減はどうですか?」
「テラちゃんの薬草茶、昨夜、飲んで寝たのよ。咳がひどくてね。熱もちょっとあったの。
でも朝起きたらスッキリしてて。咳も全く出ないし熱もないし。
薬草茶のおかげね!すごいわ。こんなに早く効く薬草茶、初めてよ!」
「それはよかったです!マーサおばさんが元気になって、私もとっても嬉しいです^^」
「本当にありがとう^^」
「どういたしまして。マーサおばさん、薬草茶のティーパックはまだ余ってるかしら。
昨日は説明をしていなかったのだけど、使用期限は1年間なの。1年以内に使ってください^^」
「とっても美味しかったから、あっという間に飲んでしまいそうだけど笑
1年間ね、わかったわ。本当にありがとう、テラちゃん」
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マーサおばさんと別れて、ふたりはいつもの森へ続く道を歩いて行きます。
「ねぇ、リーフ。薬草茶、とても効いたみたいね!リーフの力、本当にすごいのね!」
「よかった^^ 今日からはテラが採取する全ての薬草に守護を使うよ!」
「ちょっと待って。それは…ちょっと、どうかな…」
リーフの守護の力が込められた薬草茶の効き目はすごいことが分かりましたが、これから採取するすべての薬草に力を使うというリーフの提案に、テラは乗り気ではないようです。
「どうしたの?」
「リーフの力って本当にすごいのよ?ただ、あまりに効きすぎると、変かなって…。
薬草はどこで?とか、薬草茶はどうやって作ってるのとか、色々聞かれると困っちゃう…」
「たしかにそうだね…それでテラが危険な目に合う可能性だってあるよね…
気付かなくてごめんね……ぼく、全然ダメ…」
「ううん。リーフが全然ダメとかじゃないよ。私がダメなの。勇気が無いから。。
でもね、リーフの守護がかかった薬草はほんとにすごいから、色々作っておきたいって思うの。
だから、私がお願いしたときだけ、力を使ってほしいかな。全部じゃなくて^^」
「わかった^^テラがお願いしてくれたときだけにする^^」
「ええ。ありがとう、リーフ^^」
こうしてふたりは、今日も森で時々リーフの力を使ったりしながら、薬草を採取するのでした。
リーフの守護で強化された薬草は生き生きとしていて、光の粒がほんのりと煌めいているように見えました。
#本編08 日常編
リーフとテラ、ふたりの生活が始まって8日が経ちました。
少し肌寒くなってきた秋の夜。
「テラ、何か..ぼくにしてほしいこととかない?」
「うーん。今のところは…特に無いかなぁ。薬草はリーフのおかげでいっぱい摘んでるし。
あ!そうだ。リーフって、血を飲むとすぐ寝ちゃうよね」
「おなかいっぱいになっちゃって…寝ちゃうね…」
「ふふ、お話したい時は血を飲む前じゃないとだめね」
「ごめんね…ぜひそうして…」
「リーフはテーブルの上でもどこでも寝ちゃうけど、体痛くなったりしないの?」
「それはないけど……どうして?」
「寝てるとき、手に乗せても平気?起きちゃうかな。
柔らかいところのほうがいいんじゃないのかなって、ずっと気になってたの。
私のベッドで寝ないかなって思ってて。どうかな」
「テラのベッドに?いいの?誰かと一緒に寝るなんて初めて!」
「そう?じゃあ、今日から一緒に寝ようね。これが私のお願い^^」
(ひとりで寝るのは寂しいもんね)