【本編20~21 日常編】「旅の準備」
大人も楽しめる絵本のイメージで物語を書いています。
よかったら読んでください😊
#本編20 日常編
リーフとテラ、ふたりの生活が始まって14日が経ちました。
テラは少しずつ旅の準備をしています。
「何を持って行こうかな。何枚かの着替えと、お金と..裁縫道具。薬草とお茶もいくつか。水筒も・・。
色々持って行っても重いし、最小限がいいよね..どうしようかな」
その様子を見ていたリーフが言いました。
「ぼくが荷物を持ったらどうなるかな」
「あれ?リーフ、物が持てるの?」
「小さいままでもどんぐりは持てるし、お皿やカップは触れるでしょ。薬草だって触れるし。ちょっと試してみようか」
そう言って、リーフはぼんやりと体全体から光を発しながらテラと同じ背丈ほどの姿に変化しました。
「とりあえず本を持ってみて…どんぐりを持つのと何も変わらないね 笑
それで、このままどんぐりに入ったら…」
リーフは本を持ったままどんぐりの中に消え、再び現れます。
「本はどんぐりの中に置いてきたよ」
「えええ!そんなことが出来るの?どんぐりの中ってどうなってるの?」
「どんぐりの中?うーん..なんというか、異空間…かな」
「もしかして、リーフに預けておいたら、なんでも持って行けるのかな」
「そうなるよね笑 テラはどうかな」
と言いながらテラの腕を掴みます。
「さすがにテラはダメだね 笑 生き物はダメみたい 笑」
「今、私を入れようとしたでしょ」
「あはは、でもよかったね。手荷物だけ持っておけばいいし」
「うん、ほんとすっごい助かる!ありがとう、リーフ!」
その後、いろいろ試してみましたが
生き物以外でリーフが持てて、移動できる物は
どんぐりの中に置くことが出来るということが分かりました。
#本編21 日常編
「ねえリーフ、せっかく大きくなってるし、そのままちょっとお散歩しない?」
「お散歩?いいけど、どこに行くの?」
「ただ、歩くだけ。星が綺麗だよ」
いつもは普段の小さな姿。
テラの肩に乗ったり、頭に乗ったり。
リーフが大きい姿でテラと一緒に歩くのは初めてのことでした。
「ねえリーフ。手、繋ごうよ」
そう言いながら、テラがリーフの手を握りました。
「!?」
リーフはとても驚きます。
「ぼく、手をつなぐの初めて…」
「そうよね。抱擁が初めてって言ってたから、手を繋ぐのもそうかなって。
手を繋いで歩くのって楽しいでしょう?^^」
「うん..」
手を繋いだふたりは、星が良く見える丘へ登って来ました。
ふたりで草むらに寝転がります。
「星が綺麗だね。満天の星空!星の欠片が降って来そう」
「うん..」
「リーフとの旅、楽しみだよ。こうしてまた二人で星を見ようね」
「うん..」
(手をつなぐと、温かい気持ちになれるんだね。ぼくが知らないことばかり…)
手を繋いで歩くのは、リーフにとって言葉にならないくらい感動的で、忘れられない夜になりました。