【序章04~06】「守り人」
動画はInstagramのリール動画として投稿しているため、動画は縦長でとても短い(60秒前後)です。
また、動画公開時から物語に多少、手を加えているので内容が少し変わっています。ご了承ください。
大人も楽しめる絵本のイメージで物語を書いています。
よかったら読んでください😊
#序章04
「ごめんね、起こしちゃった。ぼくは神殿に住む精霊なの。
君に会うためにどんぐりを落としたの。
拾ってくれて、ありがとう^^」
そう言って精霊は微笑みました。
「私に会うため?私のこと知ってるの?」
「うん。知ってる。君は守り人。
ぼくが住む神殿の守り人の末裔なの。」
「守り人?私が守り人の末裔!?
父さんや母さんからも何も聞いていないのに……
どうして私が守り人の末裔って分かるの?」
「守り人は精霊にとって特別なの。
甘くてとてもいい匂いがする。
守り人だけに継がれている匂いだから間違いないよ。
君は、ぼくの神殿の守り人の末裔。
それに、精霊は守り人にしか見えない。」
精霊の言葉に少女は大変驚き困惑しますが、
“精霊は守り人にしか見えない”と告げられ、納得します。
少女には精霊が見えているのですから……
#序章05
「そ、そうなのね…」
(信じられないけど、精霊さんが言うのだからそうなんだろうな..)
「精霊さんが住むあの神殿の守り人…?
私が…しなくちゃいけないの…?……できるのかな……」
「ぼくには精霊の力があるから心配しないで!
守り人と精霊は…共存関係っていうのかな。
ぼくはどんぐりを依り代にして顕現するけど、見えるのも、意思疎通も、触れるのも、君だけ。
君は特別!」
「私が特別?」
「そう。ぼくの力はね・・」
#序章06
「ぼくの力は・・小さなどんぐりから大きなオークの木に成長してまたどんぐりを実らせる、様々な動物たちがどんぐりを食べて運んで・・自然界のバランスを保つの。
良い土ときれいな水、若さと長寿、成功と成長、繁栄と豊穣、守護と安全。
ぼくはそれらがうまく回るように守護の力を使うの。
ぼくの守護はとても強力なんだよ!」
「す、すごいのね、精霊さん…
共存関係って言ったけど、そんなにすごい精霊さんが…
私と共存関係になって、精霊さんにはどんな得があるの?」
「それは、あの……
ぼくの力は本来、一人のために使わないの。
それを、守り人の願いで行使する、その代償というか…
さっき少し話したけど、守り人はとても甘くていい匂いがするの。
それは血の匂いで。だから守り人って分かるの。
その血はぼくにとって、ごちそうなの。」