【序章01~03】「出会い」
動画はInstagramのリール動画として投稿しているため、動画は縦長でとても短い(60秒前後)です。
また、動画公開時から物語に多少、手を加えているので内容が少し変わっています。ご了承ください。
大人も楽しめる絵本のイメージで物語を書いています。
よかったら読んでください😊
#序章01
アルダス大陸、エルディン王国。
北部ノルデン地方にある山間の村、ブライトウッド。
ここに一人の薬草売りの少女がいました。
ある日、村のそばの”セイクリッドの森”で薬草摘みをしていた少女は、ただなんとなく、いつもと違う道を進んでみることにしました。
すると、少し開けた草むらの先に、古びた石造りの小さな神殿が突然現れたのです。
「わあ、なんだろう?」
少女は驚きながらも、その神殿に引き寄せられるように近づきました。
神殿の周りには苔と蔦が絡み、楓の紅葉が風に揺れています。
樹齢1000年ほどありそうな1本の立派なオークの木が優しく見守るように立っていました。
少女はその光景に不思議と温かい気持ちを覚えました。
#序章02
神殿の入り口には、崩れかけた石の階段がありました。
少女は初めて見る神殿に目を輝かせながら、そっとその階段に足をかけました。
石の階段を登り始めると、どこからともなく、小さなどんぐりが転がってきました。
「あれ?どんぐり…どこから転がってきたのかしら」
少女はそのどんぐりを拾い上げ、にっこり笑いました。
「形もきれいだし、なんだかかわいいどんぐりね^^」
村にはどんぐりがお守りとして大切にされていたという古い言い伝えがありました。
少女は、このきれいな形をしたかわいいどんぐりを持ち帰ることにしました。
「何も無いけど…なんだかとても幻想的…」
神殿の中は何も無く、石造りの壁や木製の窓の隙間から細い線になった光がいくつも入り込んで、幻想的な雰囲気が漂っていました。
しばらくその幻想的な雰囲気の中でぼうっと佇んでいた少女でしたが、
「あ、いけない、帰らなくちゃ」
と、どんぐりをカバンにしまい、神殿を後にしました。
神殿は少女の後ろ姿を見守るように、少女が見えなくなってから再び消えてしまいました。
#序章03
その日の夜。
夜が更け、村が静かに眠りについた頃。
少女はどんぐりをテーブルに置き、心地よい眠りに落ちていきました。
その時、不思議な光がテーブルのどんぐりからほんのりと差し始めました。
少女がその光に気づいて目を開けると、小さな精霊がどんぐりのそばに立っていました。
「ええええ!せ、せいれい?!」
思わず目をゴシゴシする少女でしたが、そこには間違いなく精霊がいたのです。