The Acorn Spirit's Journey

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【本編18 冒険編】「強化した薬草の効果」

【本編18 冒険編】「強化した薬草の効果」

大人も楽しめる絵本のイメージで物語を書いています。
よかったら読んでください😊


 

#本編18 冒険編

ファル「いてててて」

みんなで荷物を片付けて出発の準備をしていたところ、ファルが湧き水の近くで足を滑らせて転んでしまいました。

テラ「ファル、大丈夫?見せてみて」

ファル「大したこと無いよ、ちょっとした擦り傷だ」

ファルは腕に3センチ✖7センチほどの擦り傷を負ってしまい、じわじわと血が滲んでいます。

テラ「うん、でも…ちょっと待ってて」

テラはリーフのどんぐりから消毒液を出してもらいました。
この消毒液は、薬草採取のときにリーフに頼んで守護の力を使ってもらい、強化したオトギリソウとヨモギを合わせて作ったもので、旅に出る前に作って持ってきていました。

テラ「これで消毒して、洗い流さないでそのままきれいな布で覆っておくといいわ」

ファル「おお、ありがとう^^ 助かるよ」

ヘリックス「リーフとテラが居てくれて良かったわ。ファル、気を付けてね?」

ファル「はは、すまねぇ…」

ファルの怪我の手当をして、緑のテントと壁もリーフの力で均して、それぞれの荷物もリーフとヘリックスの依り代に仕舞ってもらい、今日も南への旅を再開します。

 

日が高くなって、そろそろお昼時になった頃。急にファルが驚いた声をあげました。

ファル「なんか痛くねーと思ったら、今朝の擦り傷が跡形無く消えてるんだ!」

テラ「よかった^^ 消毒液だけど、擦り傷なら治るかなって思ってたのよ」

ファル「そんな消毒液、聞いたことないんだが?」

テラ「リーフの力よ^^ リーフの特製消毒液ね」

リーフ「ぼくは薬草に力を使っただけ。それを消毒液にしたのはテラだから、テラの特製消毒液だよ^^」

テラ「じゃあ、リーフ&テラ特製消毒液ね 笑」

ふたりはそう言ってニコニコと笑い合っています。

 

ファル「…売ったら大儲けできそうだけど…まあ、ふたりはそうはしないんだろうな」

ヘリックス「何言ってるのよ。ファルじゃないんだから」

リーフ&テラ特製消毒液は効き目が抜群で、擦り傷を数時間で治してしまう効果があったのです。

 

ファルは、リーフが強化した薬草から作った物が他に無いか興味津々でテラに尋ねます。

「なあ、テラ。この消毒液のようにリーフの力を使った薬草で他に何か作ってあるのか?」

「ええ、風邪に効く薬草茶があるわ^^ 風邪の症状を和らげる”リコリスルート・カモミール・ティー”って名付けた薬草茶なの。とてもよく効くから、ファルが風邪をひいた時はぜひ飲んでね^^」

「風邪に効く薬草茶か。きっと、和らげるというより、治してしまうんだろ 笑」

「ふふっ それは飲んでからのお楽しみね^^」

ファルが言ったことはその通りで、旅に出る前に、近所に住む風邪をひいて寝込んでいたマーサおばさんに渡した”リコリスルート・カモミール・ティー”は抜群の効果を発揮して、マーサおばさんの風邪の症状がすっかり消えてしまったという事がありました。

そしてテラは、うっかり忘れていたマーサおばさんとの約束を思い出したのでした。

(そうだ…村を出て1か月経つし、次の町に着いたらマーサおばさんに手紙を出さなきゃだわ)

 

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そうして4人での2日目の夜。

昨日と同じように、テラとファルが焚き火と食事の準備をしている間にリーフの緑のテントがふたつ作られました。

テラ「昨日と同じで、私とリーフ、ヘリックスとファル、でいいかしら」

ファル「せっかくだし、男同士、女同士、でもいいんじゃないか?」

ファルは、男同士、女同士で分かれるという提案をしました。
ファルはリーフとゆっくり話をしたいと思っていたのです。

ヘリックス「あら、それもいいわね。面白そうだわ」

ファルの提案にヘリックスは賛成してクスクスと笑います。

リーフ「ええっ!ぼくはテラと一緒がいいよ」

リーフは反対しますが、今夜もテラを温めたいと思っていたからです。

ファル「まあまあ、いいじゃねーか。男同士の話でもしようぜ!なあ、テラ。いいよな?」

テラ「ええ。私もヘリックスとゆっくりお話したいと思ってたのよ^^」

ファル「よし、じゃあ決まりだな!今夜は男同士の話で盛り上がろうぜ!な!リーフ!」

リーフ「……(ガッカリ…)」

反対なのはリーフだけとなってしまい、今夜はリーフとファル、テラとヘリックスに分かれることになったのでした。

 

どんぐり精霊と少女の冒険

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