【本編19 冒険編】「テラとヘリックス」
大人も楽しめる絵本のイメージで物語を書いています。
よかったら読んでください😊
#本編19 冒険編
テラとヘリックスのテントでは。
「今朝はファルのこと、ありがとう^^」
「どういたしまして^^ 私、ヘリックスとゆっくりお話したかったの^^」
「私もテラと話したかったわ^^」
「「ふふっ^^」」
「それで、テラに聞きたかったのだけど、昨夜、リーフになにかあったの?」
「昨日の夜ね、リーフ、力を制御出来ないって言ってたの。でもすぐ収まったようだったわ。ヘリックスは気付いたの?」
「ええ、あれだけ力を放てば精霊なら誰でも気付くわね。15km先でも気付くんじゃないかしら」
「そんなに!?」
「そんなによ。リーフはああ見えて相当な力を持ってるの。それはテラのおかげでもあるわね」
「あ、…確かに、、毎日血をあげてるわ。1日も欠かさず血を飲むと力が高まるってリーフが言ってたのよ」
「でも、昨夜のあれは何かしら。ただ力が溢れたというより、何か、一気に解放したって感じがしたのよね」
「うーん……詳しいことは聞いてないから分からないけど…」
「たぶん、何かきっかけになることがあったのね」
「…きっかけ…」
「ところで、テラは何か私に話があったの?」
「あ、私はね、ヘリックスにちょっと相談というか…」
「あら、何かしら^^」
ヘリックスはニコニコと微笑みながらテラに尋ねました。
「ヘリックスはユズリハの精霊でしょう?若返りと世代交代が花言葉。だからそういう性質を持ってる。で、合ってる?」
「そのとおりよ。私たち精霊は花言葉を由来とする性質を持っている。知っているでしょうけどリーフも例外ではないわ」
「ええ、リーフは永遠の愛ともてなし。それがリーフの性質だから、性質のとおりに行動するわ。だから、それには感情は伴わない。合ってるわよね?」
「さすがね、テラは^^ 何か気になることでも?」
「私は不老不死になって人間であることを捨てたみたい。そして、女の子でもなくなったみたいなの。世代交代のヘリックスだったら、何を意味するかわかると思うの。
たぶんヘリックスはこんな私を……例えばだけど、ファルの相手としてふさわしいとは思わないでしょう?」
ヘリックスは少し考えて、慎重に答えます。
「……確かに、そうね。ごめんなさい、テラ」
「いいのよ^^ だって、そうなんだもの」
「…テラは…リーフとの契約をこのまま続けたいの?」
「私は……私は、ファルが言ってたように、守り人であることに誇りを持ちたいの。今まできちんと考えたことが無かったけど、今の時間は…精霊と過ごす時間は、守り人にしか出来ないことで…リーフの守り人でよかったと思ってるの。昨日の夜もリーフと話してて、リーフに言ったの。リーフの守り人で幸せって。リーフの守り人でよかったって」
「そう。テラは強いのね」
「月のことはリーフには言ってないし、言わなくてもいいかなって思ってて。だから、内緒にしてて」
「わかったわ。でも、テラがこんな犠牲を払ってるのに気付かないなんて。しかもリーフは自分のことにも気付いてないから」
「自分のことにも気付いてない?」
「感情が伴わないとは限らないってことかしら」
「感情が伴わないとは限らない…感情が伴うこともあるってこと?」
「一般的に、精霊だって感情はあるし恋愛だってするのよ。ただ、リーフは型にハマりすぎてるのね」
「な、なるほど…?」
ヘリックスの説明に、テラは分かったような?分からなかったような?そんな思いでしたが、夜も更けて来たので、大切な日課を行うためにリーフのテントへ行くことをヘリックスに申し出ます。
「あ、私、ちょっとリーフのテントに行ってくるわ。リーフはもう寝たと思うから、おまじないをね」
「おまじない?」
「私が子供の頃に、私が寝る時に母さんがいつもおまじないをしてくれてたの。
今日よりもっと幸せな明日が待ってるわよ、おやすみなさいっておでこにキスしてくれて^^
リーフに毎晩こっそりやってるの」
「そう^^ テラはリーフの優しいお母さんね^^」
「ふふっ^^ ちょっと行ってくるわね」