【本編28 冒険編】「フォールゴールド2」

大人も楽しめる絵本のイメージで物語を書いています。
よかったら読んでください😊
#本編28 冒険編
翌日、フォールゴールドの町で薬草を買い取ってもらい、野宿の為の買い出しに行くテラとファルとリモ。
リーフはひとり別行動でと思っていたのですが、ひとりだけで別行動をとる理由が思い浮かばず、結局、ヘリックスと共に”守り人探しをする”という理由にしてしまい、ふたり行動となったのでした。
「ごめんね、、ヘリックス。巻き込んでしまって」
「いいのよ。ひとりだけ別行動する理由、私も浮かばないもの 笑」
「ぼくだけで別行動なんてしたこと無くて…」
「まあそうよね。でも、私も一緒に行ってもいいのかしら」
「いいよ。むしろ居てくれたほうが助かるかも…」
「ジオはリーフを取って食ったりしないわよ笑 だけど、ジオとはリーフが話してね。私が話しても意味がないから。私は付き添うだけよ」
「うん、わかってる…」
宿からほど近い広場にやってきたリーフとヘリックスは、広場の中心にあるイチョウの巨木に近づいていきます。地面は落ち葉が積もり、黄色い絨毯が敷き詰められているようです。
すると、ふたりが訪れるのを持っていたかのように、イチョウの巨木からジオが顕現しました。
彼の姿は威厳に満ち、大地を統べる精霊王にふさわしい風格がありつつも、とても美しい青年の精霊王です。

「はじめまして、リーフ。久しぶりだね、ヘリックス」
「お久しぶりね、ジオ」
「初めまして、ジオ。ぼくはリーフ。知っていると思うけど…」
「もちろん、知っているよ。君は約900年前、私がお願いして精霊界の意志として生まれたのだから。君に会いたかったのに、君はちっとも精霊界に顔を出さなかったね。だから今日はとても嬉しく思ってる。会いに来てくれてありがとう、リーフ」
そう言って微笑むジオの言葉を聞いて、リーフはジオに訊かずにはいられませんでした。
「どうしてお願いしたの?」
「どんぐりの可能性、成長、私よりもっともっと強くなれる存在。大いなる可能性を秘めた君、どんぐりの精霊に、この大地を任せたいと思ったからだよ」
ジオは真剣な表情でリーフをまっすぐ見て答えました。
「ぼくの可能性なんて、そんな大したものじゃないのに…」
「そんなことはないと私は思うけどね。数日前の力の解放、凄まじかったね。あれほどの力を持っているのに、大したものじゃないって言うのかい?
あの力の解放が無くても、すでに君は精霊王を除けば、大陸一の力を持っていた。そしてさらに力が解放されて、飛び抜けた力になってるじゃないか」
ジオは穏やかな口調でリーフの力を高く評価していることを率直に伝えました。
「そうかもしれないけど…ぼくはまだ…」
「まだ、小さなままって言うのかい?そうだね…君にちょっと昔の話をしようか。
ただその前に、場所を変えよう。いいかい?」
「いいけど、どこへ?精霊界?」
「ああ、精霊界へ行こうか。私の住処がいいかな。私の後に着いてきて。ヘリックスも。
“ヴェルデシア、ジオ・グローヴ・ガーデンへ”」
「「”ヴェルデシア、ジオ・グローヴ・ガーデンへ”」」