【本編09~10 日常編】「過去の守り人1」
子ども向けの絵本あるいは大人も楽しめる絵本のイメージで物語を書いています。
よかったら読んでください😊
#本編09 日常編
リーフとテラ、ふたりの生活が始まって10日が経ちました。
いつものように森で薬草採取をするふたりですが、
今日は、神殿が現れた少し開けた草むらがある場所の近くに来ています。
テラは、神殿が現れた日のことを思い出しながら、リーフに訊ねます。
「ねえ、リーフ、私って守り人よね?
守り人の仕事ってどうしたらいいのかしら。
あの神殿の守り人って言ってたじゃない?」
「うん、そうだけど…今はいいかな。神殿は隠してあるから」
「そういえばあの神殿、今まで見たこと無かったもの。聞いたことも無かったし。ずっと隠してるの?」
「アクォリア神殿、昔はそこに在るものだったんだけど…」
「アクォリア神殿っていうのね。ご先祖の守り人さんは神殿で守り人をしてたのかしら」
「…毎日通ってくれてたの…」
「そうなんだ!毎日リーフに会いに森へ入ってくれてたのね^^」
「……うん…そう…」
(ライルのこと、そのうち聞かれるかなと思ってたけど…どうしよう…)
(……?リーフ、元気ない…?)
#本編10 日常編
その日の夜。
“守り人”のことが気になっていたテラは、リーフに訊ねます。
「リーフはこれまで何人の守り人と一緒に過ごしたの?」
「テラの前は、ひとりだけだよ」
「ひとりだけ…ということは、私が二人目なのね。一人目は私のご先祖の?」
「そう。テラの先祖で、ライルという名の男の人」
「その、ライルさんとは……死別…だったのかな」
リーフは、テラに話していないことがありました。
言わなければいけないこと。本当は契約時に言わなければいけなかったこと。
言うなら今しかないと、切り出しました。
「そうなるね。800年くらい前かな。ぼくのせいで死んだの。
守護が効いてたら、不死だったのに」
思いもよらないリーフの言葉にテラは動揺します。
「えっ!ごめん、あの、ちょっといい?
守護が効いてたら不死なの!?」
「言ってなくてごめんね。
ぼくの血の契約はとても強力で、ぼくと血の契約をすると、不死なだけじゃなくて不老不死になるの」
リーフはとても大事なことを言っていませんでした。
断られるのを避けたくて、血の契約の時に言わなかったのです。